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Lee-Byung-hun addicted

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第4話

Cupido×Cupido(4)


「あっ、そうそう。作戦会議なんだけどさぁ~」
「?」ビョンホンの突飛な申し出に何のことだか見当がつかない揺。
「あっ、そっかぁ~思いついただけでまだ話してなかったか。えっとだな。・・・」
ビョンホンは揺を腕枕して彼女の髪を弄びながら作戦について説明していた。
「うん。結構いけるんじゃないかな。さっすがビョンホンssi。」
面白がりながらこたえる揺。
「だろ~。伊達に脚本読み倒してないから。」ビョンホンは得意げに言った。
「後はお前の演技力だな」
「ちょっとそれが・・・自信ないのよね・・」揺は心配そうに言った。
「ある程度は俺のずば抜けた演技力でカバーしてやるから。」
「うわっ、すごい自信」
「だから」
「伊達に俳優やってませんから」
二人は声を合わせてそういうとゲラゲラと笑った。
「じゃ、早速明日から行動開始ね。」
「ああ、でも行動開始するまでにまだ結構時間あるね。」
ビョンホンは悪戯っぽく笑うとまた毛布の中に潜り込んだ。


次の日の朝。
二人がすっかり寝不足の様子でリビングに下りていくと不二子が朝食の支度をし、トメが庭でラジオ体操をしていた。
「お早うございます。」ばつが悪そうに挨拶する二人。
「ああ、案の定眠そうだね。朝ごはん出来てるから召し上がれ」不二子は笑いながら言った。
彼女の用意してくれた朝ごはんは最高に美味しかった。
バクバク食べる二人を見てトメがつぶやいた。
「まるで欠食児童みたいだね。それとも夕べの運動量がすごかったのかね。」
あやうく口からご飯を吹き出しそうになる二人。
喉を詰まらせたビョンホンに不二子が笑いながらお茶を勧めた。
「確実におばあちゃんの血が綾にも揺にも流れてるんだから。ビョンホン君気をつけないとエサにされちゃうよ。」
「は~い」ビョンホンは妙に嬉しそうに返事をした。


いい天気だった。
「青い空にこの車の色がよく似合ってるね。」ビョンホンは夕べ乗ったルノー・カングーのボディーを撫でながら言った。
「でしょ~。この色出たばかりなんだけど『ジヴェルニー・グリーン』っていってね。画家のモネが晩年を送ったフランスの村の名前がついてるの。前に行ったことがあるんだけどいいところよ~。今度一緒に行こうよ。」
嬉しそうな揺の腰に手を回しながらビョンホンは先日のフランス旅行を思い出していた。
「ああ、絶対に行こう。ちょっと先になるけど」
「大丈夫。ジヴェルニーは逃げないし。・・・もちろん私も逃げないから。」
揺はそういうとちょっと不安だった彼の心を見透かしたかのように彼の頬にキスをした。
「さあ、行こうか。今日は『海だ~~~っ!』って叫んでもらうわよ」
揺は運転席のドアを開けた。

お台場の海風が気持ちよかった。カングーのサンルーフを全開にして二人の車はレインボーブリッジを渡っていた。
「海だ~~~~っ!」叫ぶビョンホンを見て揺は小躍りした。
「やっぱりミンチョルもいいわね~」
「テプンがいいって言ったじゃん」ちょっと不満げにつぶやくビョンホン。
「だから、どうしても一人選ぶとしたらって言ったじゃない。つまりみんな好きなのよ。」
揺は風の音でかき消される中笑いながら大声でそういった。
(まあ、いいか。全部俺なんだから。)いつもの出来事ながら気にしてしまう自分が可笑しかった。そして彼はもう深く考えないことにした。
「そういえばさぁ~。『誰にでも秘密がある』で浜辺で運転しながらキスするシーンあるじゃない?あれって本当にやったの?」
興味津々に尋ねる揺にビョンホンは笑って答えた。
「何、やってみたいの?」
「まさか~。日本であんなことしたら私のカングーが壊れちゃう。今度ソウルに行ったらあなたの車でやってみようよ」
都合のいい彼女の提案に苦笑いしながらもちょっとワクワクするビョンホンだった。



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